弁理士資格を知る
僕が弁理士資格を知ったのは、新卒で就職した会社のある日朝礼での出来事がきっかけだった。
当時は、すでに平成も半ばであったが、出社すると毎日朝礼の時間があり、ラジオ体操と社長の一言が恒例の朝礼がそこにはあった。
その日も、ラジオ体操を終えると、社長の一言が始まった。それは、自社の特許を取得に関する話であった。営業部に配属していたこともあり、営業職の他のメンバーはあまり興味をもっていないようであったが、当初、研究開発を希望していたので、研究成果と「特許」が結びついていることに非常に興味が沸いた。結局、当時のどの製品でどんな特許を取得したのか、詳細は覚えていないのだが、思い返すと、このときの社長の一言が僕を知財沼へと入るきっかけになっている。
その後、仕事の合間にインターネットで「特許」を調べてみると、特許取得には、それを専門に代理する弁護士のような仕事をする人がいることを知り、それこそが「弁理士」であった。
営業職での行き詰まり
食品メーカでの営業は、新たな経験や出会いが多くあった。基本的に飛び込み営業のようなものはなく、担当エリアのスーパーのバイヤー、卸業者との商談と、店舗巡回による販促活動の2軸で構成されていた(いまはいろいろ違うのかも)。
スーパーで買い物をする方はご存知の通り、スーパーでは、毎日が何かの特売日である。この特売は、スーパー側からの提案の場合と、メーカー提案の場合があるが、どちらもだいたい一年間の特売スケジュールは決まっている。なので、営業は、このスケジュールに合わせた商品提案と価格提案をしつつ、新商品を棚に入れることを行っている。
書き出してみると、大したことをやっていないように思われるかもしれないが、この裏側で、卸業者との出荷数量の決定や、売れなかった場合の在庫の扱い、競合スーパーのセールとの比較等々を行っていると、結構毎日それとなく忙しくなる。
当時、営業職には、週1回のグループミーティングがあり、月間目標の進捗報告があった。このときに先輩社員の方たちの売り上げ報告を聴きながら、その売り上げ規模の大きさを自分と比較して、「すごい」と感心する一方で、10年先輩の社員と入社して1年弱の自分と「売り上げ規模」以外の違いを当時は見いだせず、その売り上げ規模の違いも担当しているスーパーの規模で大体決まると考えたとき、「このままでいいのかな」と、漠然と考えはじめ、そのうねりはどんどんと大きくなっていった。
試験制度の変更
社長の特許取得報告の朝礼から少したって、弁理士と呼ばれる仕事があること、それが国家資格であると知り、さっそく弁理士資格の資格制度について調べていた。
すると、試験は、3次試験まであり、1次試験が短答試験、2次試験が論文試験、3次試験が口述試験となっていた。しかも、2次試験には、必須科目と選択科目があり、合格率は、当時10%弱くらいだったように記憶している。
ただし、2次試験の選択科目は、大学院を卒業していると免除できると記載してあった。
これだ!!
当時、この資格の難易度について漠然としか理解してなかった自分は、科目免除対象者に自分がなっていることを知ると、根拠なく「受かる」と思ってしまった。
もちろん、この根拠ない自信は、勉強を開始して半年後の試験で全て打ち砕かれるのだが、この思い込みがなければ、弁理士試験に挑戦することもなかったとも考えられるので、挑戦する時には「深く知らない」ことも重要と思う。
まとめ
僕が社会に出たころは、ちょうどバブル崩壊の余波やリーマンショックがあり、漠然とした社会や会社に対する不安感があり、手に職をつけるじゃないけど、景気の波に左右されない仕事に人気が集中していたように思う。僕の場合は、たまたま入った会社の朝礼での社長の一言がきっかけとなって、どんどん知財沼に入っていったわけだけど、何かを始める、きっかけはそんな些細なことでいいと思うのです。
僕の場合、結果的に弁理士試験に合格したので良かったが、今思えば、もっと他のうまいやり方があったのではないか、もっと効率的に勉強できたのではないかと思うので、このブログでは、自分の勉強を振り返り反省しながら、良いと思う勉強方法や、キャリアと資格の繋げ方を発信していこうと思います。
弁理士を目指している方へ
このブログを読んでいる方の中には、弁理士試験に挑戦してみようかな、弁理士試験受けていますという方もいると思います。資格学校のパンフレットには、「一発合格!!」の文字や、「一発合格者」のキラキラしたコメントが掲載されていますが、そんなことはめったにありません。
合格率10%以下の資格試験では、落ちて当たり前くらいの気持ちで挑戦し、毎日継続して知識を積み上げていけば、気が付くと合格圏内にいる自分に気が付くと思いますので、諦めず挑戦してください。
コメント