【資格】2022年 知財系・最難関資格:弁理士の資格は使えるか

こんにちは、ちざるです。

さて、今回は、弁理士資格について基本的な内容も説明しながら、取得すべきなのかについて考えていきたいと思います。

結論から言うと、僕は、弁理士資格を10年くらい前に取得したのですが、現在も直接代理はしていませんが、知財業界で仕事を継続できているのはこの資格のおかげと思っています。

今でこそ、この資格、弁理士資格の力を実感していますが、受験勉強中、合格直後は、資格学校の相談会等でこの質問を受けても営業的な答えしかできませんでしたので、今回、ここにまとめてみたいと思います。

  • 弁理士って何?
  • 弁理士の資格は難しい?
  • 他の知財系資格について
  • 弁理士資格は役に立つのか、また、将来性は?

弁理士って何?

インターネットや資格学校のパンフレットにもいろいろ書いてあると思いますが、日本弁理士会のHPでは、弁理士は、「知的財産に関する専門家」と記載されています。

ここで、「知的財産」って何?と思われる方もいると思います。知的財産とは、簡単に言えば、お金になる価値があるアイデアと思っていただければと思います。そして、この知的財産の中には、一定の要件を満たすことにより、国から権利として保護されるものがあり、この権利を一般に知的財産の権利「知的財産権」と呼びます。

この知的財産権には、いくつかの種類がありますが、これらの権利についての細かい説明については、今回は置いておき、弁理士は、知的財産に関する専門家として、個人や企業からの知的財産に関する相談を受け、知的財産権の取得の代理や、権利の活用や侵害対応の相談等を行うことができます。

例えば、新しい〇〇を作った。新しい〇〇をデザインした。新店舗のロゴを考えた。同じ商品が他社から販売されている。このようなときには、弁理士が活躍するチャンスがあります。

弁理士の資格は難しい?

資格取得の「難しい」/「簡単」は、簡単に比較することが難しいと思いますが、例えば、下記の国家資格難易度ランキングによれば、弁理士は、税理士と同程度(偏差値75,超難関)ということになりますが、この資格難易度ランキングは、受験者の属性により大きく感度がかわります。

国家資格難易度ランキング一覧 – 資格の取り方 (shikaku-fan.net)

知財業界で活躍したい!! 弁理士になろう!と思う人は、他のいわゆる「士業」と呼ばれる資格、例えば、「弁護士」「公認会計士」「司法書士」「税理士」「社会保険労務士」「行政書士」に比べて受験者の数が圧倒的に少なく、また、受験生の属性が偏っています。

具体的には、以下のアンケート結果に記載の通り、弁理士試験の受験生は、
・受験者数:3859人
・受験者年齢:30~40代が中心
・男女比:男子76.6% 女子23.4%
・理系・文系:理系約70%、文系20% その他10%
・受験者の主な大学:1位東京大学、2位京都大学・・・
・職種:会社員が中心
・受験回数:1~5回がボリュームゾーン
・合格率:6.9%

と、簡単に言えば高学歴、言い換えれば、小さなころからしっかりと勉強し受験を勝ち抜いてきた、東京の大学や京都の大学の理系の人たちが多い集団であるといえます。

令和3年弁理士試験統計

1_shigan.pdf (jpo.go.jp)
8_saisyu_goukaku.pdf (jpo.go.jp)

参考までに、ランキングで同程度にランクされていた、例えば、「司法書士」について、同様の受験生の属性について調べてみたのですが・・・司法書士試験では、細かい受験者の統計は取っていないようで・・・
・受験者数:11925人
・合格者数:613人
・合格率:約5.1%
・平均年齢:41歳(最年少21歳、最年長77歳)

令和3年度司法書士統計

令和3年度司法書士試験の結果について (moj.go.jp)

同様に行政書士(偏差値62(難関))でも調べてみましたが、
・受験者数:47870人
・合格者数:5353人
・合格率:約11.1%
・最年少14歳、最年長82歳

令和3年度行政書士試験統計

summary.pdf (gyosei-shiken.or.jp)
summary.pdf (gyosei-shiken.or.jp)

比べてみると、弁理士試験の受験者数は、司法書士試験の3分の1程度、行政書士の10分の1程度でです。・・・人気ないですね。
公式資料が見当たらず、他の士業との対等な比較ができませんが、個人的な感覚として、弁理士試験の受験者は、30~40代の国立・私立の大学院・大卒の理系男子に集団が集中していると思います。

今回調べていて、上記のように勉強を積み重ねた方々が社会人になって必要性を感じて挑戦していても6.9%しか最終合格できない弁理士試験は、かなりの難試験と考えてよいと思います。
ただ、個人的な感想としては、弁理士試験に挑戦するぞ!と決めたら、統計的な結果やまわりの受験生のキャリアのことは忘れて、自分との戦いあるのみと思います。

他の知財系の資格との違いは?

最近は、ニュースでも知的財産に関することが放送されることも多くなり、知的財産に関する仕事に関わっている、また、将来的に知的財産に関する仕事をしてみたいと考えている人は、多くいると思います。

以前は、知財系の資格としては、「弁理士」一択でしたが(かなり古い)、最近では、弁理士資格以外にも、知的財産管理技能士やビジネス著作権検定と呼ばれるものもあります。

実は、私も、最近になって、知的財産管理技能士を取得しました。

・知的財産管理技能士
【概要】 
 知的財産管理技能士は、その名前の通り、知的財産の管理をするうえで必要とされる技能の習得レベルを評価する資格であり、弁理士資格のような、専権業務を持つ資格とは異なります。
 言い換えれば、企業内における知財マネジメント能力を測定・評価するものと言えます。

【試験概要】
 知的財産管理技能士には、1級~3級があります。
3級および2級に合格するとそれぞれ、三級知的財産管理技能士、2級知的財産管理技能士があたえられ、1級では、さらに細分化され、特許専門業務を選択して合格すると「一級知的財産管理技能士(特許専門業務)、コンテンツ業務を選択して合格すると「一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務)」ブランドを選択して合格すると「一級知的財産管理技能士(ブランド専門業務)」として認められます。
 試験日程等の詳細は、以下の公式HPをご確認ください。

国家試験 知的財産管理技能検定 ホーム
知的財産管理技能検定

【役に立つ?】
 個人的な感覚になってしまいますが、2級以上を持っていると転職時に評価される可能性があります。3級は簡単なので、知財に興味を持ったらとりあえず受けてみるくらいの使いかたになると思います。
逆に、1級は、弁理士資格と合わせて持っていると社内昇格や転職時に評価をされる可能性がありますが、難しい割には認知度が低く割に合わないと感じる方も多いのではないかと思います。

・ビジネス著作権検定
 【概要】
 知財の中でも特に著作権に特化した唯一の資格試験。著作権は、誰もが知らないうちに侵害している、また、侵害されているおそれがあるもの。基本的なルールについて身に着けたい方にとって、体系的に学べる良い機会になると思います。この資格も知的財産管理技能検定と同様に著作権に関する知識を測定・評価するものです。

【試験概要】

試験は、「BASIC」「初級」「上級」の3つの区分に分かれております。なお、「BASIC」は団体試験のみですので、通常は、初級」「上級」の受験になると思います。詳しくは、以下の公式HPをご確認ください。最近は「リモートWEBテスト」により自宅からの受験も可能なようです。

ビジネス著作権検定 | 資格検定のサーティファイ│あなたのスキルアップを応援します|
ビジネス著作権検定は、著作権や知的財産権の保護と知識と活用能力を証明する資格・検定試験です。創作者はもちろん、コンテンツ利用者・管理者などすべての方に不可欠な知識です。

弁理士の資格は役に立つのか、また、将来性は?

最後まで読んでいただきありがとうございます。
さて、弁理士の資格は役に立つのかということですが、知財業界に入って仕事をする上では、持っておいて損はない資格と思います。
 確かに、弁理士試験を勉強したからといって、特許明細書(特許申請するときに特許庁へ提出する書類の1つ)が書けるようになるものではないため、企業の知財部や特許事務所の技術担当者としてすでに働いている方の中には不要と考える方もいると思います。

 しかしながら、将来知財関連で独立して仕事がしたい方や、社内での昇進、転職を考えている方には、弁理士資格は非常に強い武器になります。
 弁理士資格+業界キャリアがあれば、他の業界よりも年齢に関係なくキャリアアップを望めますし、特許事務所への転職であれば、これまでの転職回数が多くても関係なく入ることができると思います。

 最近は、AI技術の発達により士業においてもその仕事そのものが無くなるのではないかと心配される方も多いと思います。AIは、現状定型業務に対する処理を得意としていますので、特許事務や定型的な明細書の作成については、AIに置き換わっていく可能性が高いと思います。

 しかしながら、AIによって作成された、処理された、まとめられた、データを分析して、クライアントに適したアドバイスを行うような、定型化されない業務については、無くならないと思いますし、それができる弁理士に仕事が集中していく可能性もありますので、将来性はあると考えています。

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