はい、こんにちは、ちざるです。
前回は、ベイブレードの名前を、特許庁の商標データで調べてみました。造語の「ドランザー」は他社0件、英語の「ドラグーン」は他社34件。名前ひとつにも、知財の考え方が表れていましたね。
今回は、その続きです。過去ではなく、これからを調べてみます。
はじめに
前回と同じく、ちざるはベイブレードのプレーヤーではないので、機種名やシリーズについて、間違いがあれば、教えてもらえるとうれしいです。
それから、今回は公開データからの「予想」です。当たるかどうかは、お楽しみということで(笑)。
調べたのは、特許庁のデータベース(J-PlatPat)と公式の商品一覧(2026年10月29日)、海外の通販サイト(10月30日)です。
出願は、発売の何か月前?
タカラトミーが、おもちゃの分野で2025年7月以降に出願した商標を調べると、224件ありました。トミカやプラレール、リカちゃんの名前も混ざっています。
その中から、公式の商品一覧に載っているベイの名前を探し、出願日と発売日を並べてみました。
| 名前 | 出願 | 発売(予定を含む) | 間隔 |
|---|---|---|---|
| ラスタードラグーン | 2026/09/14 | 2026/10/10 | 約4週間 |
| ブラキオウィップ | 2026/05/13 | 2026/06/13 | 1か月 |
| バハムートブリッツ | 2026/01/28 | 2026/03/28 | 2か月 |
| ヘルズネザー | 2026/05/20 | 2026/08/08 | 約2か月半 |
| ジークスペリオン | 2026/06/09 | 2026/11/21 | 約5か月半 |
だいたい発売の1〜3か月前に出願されていることが多いようです。前回の2016年のリバイバルでは4〜6か月前でしたが、最近は短くなっているようです。
ということは……出願されているのに、まだ商品名に出ていない名前があったら? そう、「次のベイ」の候補かもしれません。
商品名に見当たらない名前たち
ベイの名前には型があります。第4世代なら「ドラン+ソード」「ヘルズ+サイズ」のように、カタカナ2語の組み合わせです。
この型に合うのに、公式の商品一覧の名前には見当たらないものが、いくつかありました。中でも気になるのが、2026年1月13日に連番で出願された6つです。
- バットガスト
- クラブクランプ
- シノビシュリケン
- バイソンバロー
- エンリルハリケーン
- イージスランパート
出願から9か月たっても、日本の商品名には出てきていません。
ほかにも、「ヘブンズリング」「ホルスシャッター」は、2026年3月に発売されたバハムートブリッツと同じ日に出願されています。「サイクロプスアイ」は、11月発売予定のジークスペリオンと同じ日の出願です。
「これは次のベイだ!」と思って、名前を調べてみると……。
海外版の名前でした
これらの名前の多くは、海外版のベイとして、すでに海外の通販サイトに並んでいました。海外版は、アメリカのおもちゃ会社ハズブロが販売しています。
| 日本で出願された名前 | 海外版の商品名 |
|---|---|
| エンリルハリケーン | Hurricane Enlil |
| バットガスト | Gust Bat |
| クラブクランプ | Clamp Crab |
| イージスランパート | Rampart Aegis |
| バイソンバロー | Valor Bison |
| ホルスシャッター | Shatter Horus |
| ヘブンズリング | Heavens Ring |
よく見ると、前後が入れ替わっているものが多いですね。「バロー」は「Valor(勇気)」でした。「シノビシュリケン」は、海外版には「Cutter Shinobi」というよく似た名前がありますが、同じものかはわかりません。
つまり、「次の日本のベイ」の予想は、半分はずれ。でも、日本で売っていない海外版の名前まで、日本で出願していることがわかりました。
なぜでしょう? 日本でも発売する予定があるのかもしれません。輸入品として日本に入ってくることへの備えかもしれません。本当の理由はわかりませんが、ヒントになりそうな商標が、もうひとつありました。
一方、「サイクロプスアイ」は、海外版でも見つかりませんでした。こちらは、まだ「次のベイ」の候補として残っています。
寄り道:中国語の商標「戦斗陀螺」
調べていて、もうひとつ驚いたことがあります。2025年11月28日に、こんな商標が日本で登録されていました。
- 戦斗陀螺
- 霸旋陀螺
- 貝布雷徳
「陀螺」は、中国語で独楽(こま)のこと。「戦斗陀螺」は「バトルこま」という意味です。「貝布雷徳」は、「ベイブレード」の音を漢字で表したものと思われます。
日本の商標は、日本の中でだけ効きます(属地主義といいます)。では、なぜ日本で、わざわざ中国語の名前を? 一般的には、次のような理由が考えられます。
- 偽物への備え:中国語の名前だけを付けた商品が、海外の通販サイトから日本に届く。そんなときに、止める手がかりになります。
- 先取りの防止:ほかの誰かが、その中国語の名前を日本で先に登録してしまうのを防げます。
- 海外展開の土台:日本の登録をもとに、海外へまとめて出願する仕組み(マドリッド協定議定書、通称マドプロ)があります。そのためには、日本でも同じ表記で持っておく必要があります。
ベイブレードの場合、どれが本当の理由かはわかりません。ただ、海外版の名前と中国語の名前。どちらも、日本の外での展開を、日本の商標で支えているように見えます。日本の外でも人気があるからこそ、ここまで手を打っているのだと思います。
答え合わせをします
今回の予想は、半分はずれました。でも、はずれたおかげで、海外とのつながりが見えてきました。
「サイクロプスアイ」が本当に出たら、この記事で報告します。当たったら、ちょっと自慢させてください。
おわりに:独楽の世界へ
ベイブレードのルーツは、ベーゴマと言われています。中国語でも、ベイブレードは「陀螺」、つまり独楽でした。
実は先日、八王子で独楽の世界大会「KOMA WORLD CUP 2026」が開かれ、私も見に行ってきました。現地のレポートは、こちらからどうぞ。
【現地レポ】こまの世界大会「KOMA WORLD CUP 2026」に行ってきた
ベイブレードから、伝統の独楽へ。回るおもちゃの世界は、まだまだ奥が深そうです。
参考
– J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)(2026年10月29日検索)
– BEYBLADE X 公式 商品ラインナップ(2026年10月29日確認)
– 海外版の商品情報(2026年10月30日確認):Hurricane Enlil、Gust Bat、Clamp Crab、Rampart Aegis・Cutter Shinobi、Valor Bison、Shatter Horus、Heavens Ring
– 前回:ベイブレードの名前を、商標データで調べてみた


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